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2004年02月18日

『天風先生座談』を読む。

*『天風先生座談』(宇野千代、二見書房)*

自分でも不思議に思うのだが、中村天風氏についての本を読んだというのはこれがはじめてであった。

そりゃ、メンター系としちゃメジャー中のメジャーだから、他の書物で何度も名前は拝見している。しかし、この天風先生メインの本というのを過去において読んだことがない。

別に故意に避けていたわけでもなく、説明しようがないのだが、自然とめぐり合わせでそうなったとしか考えられないだろう。30年以上人並みに紆余曲折な人生がしみこんだ条件の上で読んだこの本は、まさにココロの底から身をもって納得、確信できる。

ちょうど『ライ麦畑でつかまえて』を読んで感じたときの逆であろう。あの本は10代の頃に一度目を通してみるべきだった。逆にこの天風氏の言葉は、10代の頃聞くよりも今の方が数百倍もココロとカラダに浸透される感じだ。我が10代で「人間は意志力だ!」とわめいていたところで、結局は机上論を抜け出せるほど経験値がなかったのだ。

嬉しいのは自分が頭の中でぼーっと感じ、考えている思想的なものを、まさにシンクロ状態で明確な言葉で表現してくれていることだ。そして、それは「ああ、そうか。やっぱりこの考え方の方向でいいんだなあ」と私を安心させてくれるのだった。

彼の人生から比べれば、我が人生など吹雪の中、家でコタツに入って熱いお茶をすすっているがごとくの生ヌルさであろうが、それでも疲労で運転中路肩に落ちたり、椎間板痛めて寝たきり状態になったり、己のミスから放浪擬似ホームレス状態になったりと、節々で「人生の幸福」とはなんぞやと考えさせられる場面に遭遇してきている。

そういう経験を身に沁み込ませた上で読んだ彼の言葉は本当に素直に受け入れることができ、非常に満足した読後のひとときを過ごせたのであった。そして、今後も天風師の言葉を取り込んでいくことを確信した。

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Posted by hirosso at 21:53│Comments(0)読書記
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